○デュアルシステムの導入
本校の生徒だけでなく、現代生徒の特徴として、次の3点があげられる。
一点目は、社会性の低さである。自分の限定されたエリアでの情報や人間関係で行動し、コミュニケーションが苦手であったり、社会と接触拒否を起こしたり、社会に対して恐怖や不信感を持ったり、大人社会に対して無視してしまう。二点目は、自信・意欲のなさである。自己評価が低く自己肯定できない。そのため「どうせ私はできない」とすぐに諦めてしまう。三点目は、基礎学力「読み・書き・計算」の低さである。小学校、中学校段階でつまづき、「できない」ことに対するゆがめられた価値感を持ち、学習そのものが無気力の学習になってしまう。
そんな生徒達が、「社会で生きていく中で、大切なもの、必要なものは何か?」と問いかけ、「高校を卒業し社会に出るために少しでも勇気と希望を与えたい!」「今やるべきことを考え学ぶべきことを見つけさせ働くための意欲と態度を育てたい!」と考えたときに、そんな生徒たちが、「働く」という営みを通して、自分の存在を認められ、社会で生きるための自尊感情を取り戻し、多様な能力や才能が磨かれるのだという方向性を見いだした。しかし、それには学校だけでは限界があるため、地域の教育力を最大限にいかせるデュアルシステムの導入を検討することになった。