私たちの体の約70%は水でできている。このことからも分かるように、水は人の生理機能に不可欠な成分である。体の老廃物を排出し、栄養素や酸素を体の各組織に輸送し、関節のすべりを滑らかにし、体温調節にも関わっている。
バーミンガム大学の研究チームは84人の肥満成人を対象に、食前に水を飲むことが体重にどのような影響を与えるのかを調べる実験を行った。
被験者は2つのグループに分けられ、一方のグループでは、1日3回の食事30分前に500ミリリットルの水を飲む。対照群であるもう一方のグループは、食事前に水は飲まず、お腹がいっぱいだとイメージするのみである。
この実験は12週間にわたり行われた。実験期間中、全ての被験者はダイエットに関するコンサルティングを受け、実験終了後も電話によるフォローアップを受けていた。どの被験者も、ダイエット活動を同じ環境で行っていたことになる。
実験期間中、水を飲まなかった対照群に比べて水を飲み続けた被験者群は、平均で1.3キロも多くの体重を減らすことに成功した。
食前に水を飲むことが体重減少にどのように作用したのかは、明らかになっていない。しかし研究者は、水を飲むことで、一時的な代謝上昇や、満腹感を得た結果、食事量が減少する可能性などを考えている。