共闘
リトネはこんな状況でも落ち着いていたが、トーラと遺臣たちはしまったという顔になる。
「お、おい。どうすんだよ」
「とりあえず、脅してみましょうか?」
リトネはすまし顔で、アクターに問いかけた。
「……ボクを殺せば、それこそシャイロック家全軍が攻めて来るぞ。どうするつもりだ?」
「ふん。馬鹿な餓鬼だ。貴様の死体とそこの女の死体を並べ、跡継ぎを殺したのはアッシリア家でワシはその仇をとったといえばよい!ぐふふ、その功績でワシは王都に帰れるかもしれんな」
実にテンプレ的悪役の行動を取ってくる。
リトネは余裕たっぷりにトーラに聞いた。
「ですって。先生は俺の殺人犯になるみたいですよ。どうします?」
「てめえ!ふざけんな!そんなのまっぴらごめんだ!」
「なら、戦って生き残るしかないですね」
リトネはそういって、上着を脱ぐ。少年ながら筋肉隆々とした美しい体とそのふてぶてしい態度に、思わずトーラは見とれてしまった。
「……チッ。まさか仇のてめえと一緒に戦うことになるとはな」
「仇はやめてくださいよ。婚約者でしょ?」
トーラに仇扱いされて、リトネは苦笑する。
「勝手にいってろ!」
そういいながら、トーラはリトネに背中を預ける。
二人を守ろうと決死の覚悟でアッシリア家の遺臣が円陣を組むが、大勢の完全装備の兵士たちに取り囲まれて、ジリジリと後退した。
「だが、武器をもった兵士が200人はいるぜ。こっちはあんたを含めても10人。しかもけが人も多いし丸腰だ。どうするんだ?」
「ご安心ください。こうします。『剛竜盾ドラゴンシールド』」
リトネがトーラとアッシリア家の遺臣たちに「気」を与えると、彼らの周りを硬い防御壁が取り囲んだ。
「こ、これは?」
自らの体が何かの力に守られていることを感じ取り、遺臣たちは驚く。
「これで武器から身を守れます。みなさん、思い切りやっちゃってください」
リトネの鼓舞に、遺臣たちは奮い立つ。
「うぉぉぉぉぁ!我らが未来の主リトネ様とトーラ様を守れ!」
加護を得た8人の遺臣たちは、すさまじい勢いで兵士たちに立ち向かっていった。