昨夜、遅くに東棟の……エミリア様の居室がある階層に、侵入者がありました。警戒石でそれを知ったレムはすぐその場に向かい、這いずり回るスバルくんを見つけました」
「そのときには、バルスはすでに呪いの影響下にあったわけね」
「はい、姉様の言う通りです。衰弱して、スバルくんは瀕死の状態でした。呪いの効果で生命力を極限まで減衰させられて、もう救い出すことはできないと判断して……」
「それで、鉄球で撲殺したのね。――あんなに、執拗に体を痛めつけて」
「エミリア様――」
厳しい視線をエミリアに向けるのは、レムの隣で妹の手を握っていたラムだ。しかし、エミリアもラムの鋭い眼差しに毅然とした表情を上げ、