奴隷商人の店
涙を流して抱きあっている二人の少女がいる。
「ドロンお姉さま……これで自由」
「お嬢様……私などの身のために、ご自分で汗水たらして稼がれたお金を使っていただけるとは」
ナディが流す涙はドロンを助けることができた喜びの涙で、ドロンが流す涙はナディが純粋な好意で自分を助けてくれたことへの感動の涙だった。
「……いいの。お金なんかまた稼げばいい。ドロンお姉さまの方が大事」
そういいながら、ドロンの『隷属の首輪』をはずす。
「もったいないです。私など、奴隷のままで……」
「私が嫌なの。ドロンお姉さまを奴隷なんかにしたくない」
ナディのやさしさが、ドロンの胸を打つ。
「このご恩に報いるために、これからも命がけでお仕えさせていただきます」
ドロンは本気で頭を下げて、忠誠を誓った
その様子を隠れてみながら、リトネは心の中でつぶやく。
(うまくいったな。いくら金持ちになったって、金が第一の銭ゲバになったら別な形でのビッチになるだけだ。健全な金持ちになるための第四段階「金よりも大事なことがある」ことを理解してくれたこみたいだ)
順調にビッチから遠のいていることを実感して、リトネはにやりと笑った。