八月二十一日。 リディの魔法の授業が始まった。 授業が始まると、学院時代を思い出したのか、教師のような口調で教え始めた。(結構、ノリノリのよ การแปล - 八月二十一日。 リディの魔法の授業が始まった。 授業が始まると、学院時代を思い出したのか、教師のような口調で教え始めた。(結構、ノリノリのよ อังกฤษ วิธีการพูด

八月二十一日。 リディの魔法の授業が始まった。 授業が始まると、学院時

八月二十一日。
リディの魔法の授業が始まった。
授業が始まると、学院時代を思い出したのか、教師のような口調で教え始めた。

(結構、ノリノリのような気がするな。小さい子供限定なら、意外と教師に向いているんじゃないか?)

俺の思いとは関係なく、彼女の授業は進んでいく。

「まず、魔法について説明しますね。魔法には八つの属性があります……」

彼女の説明を要約すると、魔法には属性神と同じく八つの属性――火、光、風、木、水、闇、土、金――がある。
魔法は人が持つ”魔力”を各々の属性の”精霊”に与えることによって、術者の望む現象に変える。
そのためには、魔力を精霊に与えることと、精霊に自分の願いをうまく伝えることが重要である。
魔力の与え方は人それぞれだが、魔力を与える量を間違えると大変なことになるため、充分な制御技術が求められる。
精霊に自分の望みを伝える方法としては、呪文による伝達がある。その他にも魔法陣を使う方法もあるが、イメージ力の強い者なら呪文も魔法陣もなしに魔法を使うことが出来る。

俺の理解では、人間の体が“増幅器《アンプ》”、人間の持つ魔力が“入力信号”、精霊の力が“電源”、そして、魔法が“出力”だ。
呪文と魔法陣が“バイアス”なのだろう。最適のバイアスに調整できれば、増幅率がアップするからだ。
人間の想像力が増幅器の性能と考えれば、それほど難しい考え方じゃない。
ただ、それが正しいのかは誰にも判らないが。


三十分ほどの座学だったが、メルとダンはほとんど舟を漕いでいた。
リディと俺はその姿に微笑むが、二人を起した後、次のステップに移っていく。

まずは魔力を感じることから始めることになった。
リディは、へその辺りを触りながら、

「この辺に魔力が溜まっていると言われています。まずは魔力を感じてみましょう」

俺たちは皆、へその辺りに意識を集中し始める。
五分ほど、うんうん唸っていろいろやってみるが、全く感じない。
他の三人も同じようで、首を傾げていた。
リディもその結果を予想していたのか、「やはり難しいですね。では、一人ずつ私とやって行きましょう」と言って、立ち上がる。

「最初にダンからいきますよ。私が手をかざしますから、魔力を感じ取ってください」

そういってからダンの後ろに回り、抱え込むようにして、彼の腹に手を当てる。

「眼を瞑って、ゆっくりと息を吐いて……どうですか? 判りますか?」

ダンは何度やっても判らないようで、最後のほうには泣きそうになっていた。

「気にしないでいいですよ。ほとんどの人が判らないんですから。じゃ、次はメルね」

メルにも同じようにやっていくが、やはり彼女も感じることができないようだ。
負けず嫌いのメルは、何度もやり直すが、やはり無理だったようだ。

(魔法の才能っていうのは貴重なんだな。そういえば、この村にいる魔術師、つまり治癒師たちは三人だけだし、単純にいっても全人口の一%もいないんだからな)

メルもようやく諦めるが、その目にはうっすらと悔し涙が浮かんでいた。

(剣の才能があるから、無理に魔法を覚えなくてもいいと思うんだがな。まあ、そこがメルらしいと言えばそうなのかもしれないが。後でフォローしておいたほうがいいな)

三人目はシャロンだった。
リディが「どう感じる?」と聞くと、最初は戸惑ったような表情だったが、小さな声で「何かが動いている」と呟いていた。
リディも期待していなかったのか、その言葉に驚き、「これは? これは?」と何か別のことをし始める。
シャロンはその都度、うんうんと頷いていた。

「シャロンには魔法の才能があるわ。これは凄いことよ! 後でお父さんとお母さんにお話させてね」

リディは興奮気味にそう言うと、シャロンがコクンと頷く。そして、最後に俺の番がやってくる。

(シャロンに出来て、俺に出来ないはずはない。全属性取得の才能があるはずなんだから)

俺はそう気合を入れて、リディを待つ。
だが、彼女が俺を抱え込んだ瞬間、その気合が一気に萎えていった。

(何かいい匂いだ。微妙に背中に何かが当たる……ああ、エルフは貧乳だと思っていたけど、結構スタイルがいいんだ……)

集中できない俺に気付いたのか、リディは小声で、「真面目にやりなさい」と叱ってくる。
その言葉に「ごめんなさい」と素直に謝り、再度気合を入れなおして、彼女の手の動きを感じていく。

最初は何も感じなかった。
集中するにしたがって、徐々に暖かいものを感じるようになっていく。
その暖かいものは、ゆっくりと形を作っていく気がし、意識すると長細い棒のような形に感じていた。

「棒が、長細い棒みたいなものがある。違う、蛇のようにくねくねとしている……」

俺の体の中をウネウネと動いていく。その様《さま》は、恐怖(ホラー)映画に出てくる寄生する宇宙生物のようで、気色悪くもあった。

リディの手がゆっくりと円を描く。
さっきまでは半固形物のようなものが動いていたが、今は純然たる力の流れ、強いて言うなら水のような流れを体内に感じていた。

「今、あなたの魔力を循環させているの。正確には判らないけど、これがあなたの全魔力になるわ。判るかしら?」

「ああ、判るよ。これが魔力か……」

俺は少し興奮し、地のしゃべり方に戻っていた。
慌てて、「凄い、凄い」と演技をするが、我ながら、わざとらしかったかもしれない。

リディの手が離れるが、俺の中にある魔力を感じ続けていた。俺の魔力は、へそ辺りに溜まっており、意識すると暖かくなるような気もしていた。
彼女も満足したのか、俺から離れていく。少し名残惜しいが、口に出すわけにもいかない。

「今日はこれでおしまいです。残念だけど、ダンとメルには魔法は使えないわ。でも、二人とも結構魔力を持っていますよ。魔力があれば魔道具を使うときに便利ですから、良かったですね」

俺がフォローを入れるまでもなく、リディがフォローを入れてくれた。

「明日からはザックとシャロンだけが授業を受けますが、二人も見たいなら、いてもいいですよ。将来、魔術師と一緒に仕事をするときにも役に立ちますからね」

ダンとメルは笑顔で頷き、明日も来ると言っている。

「シャロンは後で、お父様とお母様を連れて来て頂戴。では、また明日」

ダンとメルはそのまま遊びに行こうとするが、シャロンのことがあるので、後で合流するといって二人とは別行動になった。

シャロンは自分の両親――ガイとクレア――を呼びに自分の家に戻り、その間に俺とリディは祖父の部屋に向かった。
祖父を見つけると、リディは少し早口で話し始める。

「ザックは別格だけど、シャロンっていう子も相当な才能よ。ゴーヴィ、あの子も一緒に教えるわよ」

興奮気味のリディに少し引き気味の祖父は、「まあ落ち着け」と声を掛ける。

「シャロンの両親は、このことを知らんのじゃろう? 二人の意見も聞いてから決めねばならん」

リディも祖父の言葉が理解できたのか、少し落ち着き、同時に後悔に似た表情を見せていた。
俺は魔術師の才能があることは、いいことだと思っていたから、なぜそう言う話になるのか理解できない。

「魔法の才能があるということは、すばらしいことなんじゃないんですか?」

祖父は苦笑に近い笑顔を浮かべながら、「一般的にはそうじゃな」と頷く。

「だが、それは魔術師の家系に生まれたものか、貴族の家に生まれたものに限られる」

俺は未だ話の筋が見えず、「それはなぜですか?」と首を傾げる。

「治癒師が出来る属性――木と水と光が一般的――ならば良い。どの村にも修行の場があるからな。だが、普通の魔術師の場合、大成するためには誰かに師事するか、魔術学院に入るかせねばならんのじゃ」

そして、リディを見て

「リディアがずっと教えられるなら良い。魔術師の場合、一人前になるためには、最低でも十五年は掛かる。その間この村に居続けてくれるならな。それが難しいなら、誰か師匠を探す必要があるんじゃ。中途半端な魔法の知識は身を滅ぼすからの」

その言葉に思わず彼女のことを見上げてしまう。
彼女の表情は少し曇っており、

「あなたの言う通りね。私がいつまでここにいるか判らないし、元々、あなたの頼みではザックが学院に入るまでっていう話だったから」

「学院に入るのは難しいんですか?」

「確かに入学試験は難しいと聞く。それよりも問題は金じゃ。入学金で一万C(クローナ)(=一千万円相当)、年間で最低三千Cは掛かる。お前なら首席で合格して、入学金免除を受けられるじゃろう。だが、それが難しければ……」

(なるほどな。中途半端な知識だと、まともな魔法が使えなかったり、魔力の調整が下手なままだったりして使い物にならないか。最悪、魔力切れで死ぬ可能性もあるってことだな。リディがずっと教えてくれればいいが、冒険者稼業の彼女に子供の弟子がついて行くのは難しい。そうなると、学校か。入学金と授業料。この貧乏な村の従士の家では絶対に出せない金額だ。さて、どうするかな……)

その後、ガイとクレア、シャロンの三人が祖父の部屋にやってきた。
俺はその話し合いに参加できないため、部屋から出て行ったが、後で聞いた話では、シャロンがかなり強い主張をしたそうで、ガイも渋々認めたそうだ。
何でも、きちんと修行を終えることが出来なかったら、一生魔法を使わないと約束すると泣いて頼んだそうだ。

俺は将来に禍根を残さなければいいがと思ったが、リディが予定を変更してシャロンの修行を続けてくれる可能性もあると思いなおしていた。

(将来、何があるか判らない。それなら可能性=夢を潰すようなことはしないほうがいい。やめて後悔するくらいなら、やって後悔したほうがいい。いざとなったら、俺がシャロンの分も稼げばいいさ。こうなると特産品で稼ぐことを、真面目に考えたほうがいいかもしれないな……)
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八月二十一日。
リディの魔法の授業が始まった。
授業が始まると、学院時代を思い出したのか、教師のような口調で教え始めた。

(結構、ノリノリのような気がするな。小さい子供限定なら、意外と教師に向いているんじゃないか?)

俺の思いとは関係なく、彼女の授業は進んでいく。

「まず、魔法について説明しますね。魔法には八つの属性があります……」

彼女の説明を要約すると、魔法には属性神と同じく八つの属性――火、光、風、木、水、闇、土、金――がある。
魔法は人が持つ”魔力”を各々の属性の”精霊”に与えることによって、術者の望む現象に変える。
そのためには、魔力を精霊に与えることと、精霊に自分の願いをうまく伝えることが重要である。
魔力の与え方は人それぞれだが、魔力を与える量を間違えると大変なことになるため、充分な制御技術が求められる。
精霊に自分の望みを伝える方法としては、呪文による伝達がある。その他にも魔法陣を使う方法もあるが、イメージ力の強い者なら呪文も魔法陣もなしに魔法を使うことが出来る。

俺の理解では、人間の体が“増幅器《アンプ》”、人間の持つ魔力が“入力信号”、精霊の力が“電源”、そして、魔法が“出力”だ。
呪文と魔法陣が“バイアス”なのだろう。最適のバイアスに調整できれば、増幅率がアップするからだ。
人間の想像力が増幅器の性能と考えれば、それほど難しい考え方じゃない。
ただ、それが正しいのかは誰にも判らないが。


三十分ほどの座学だったが、メルとダンはほとんど舟を漕いでいた。
リディと俺はその姿に微笑むが、二人を起した後、次のステップに移っていく。

まずは魔力を感じることから始めることになった。
リディは、へその辺りを触りながら、

「この辺に魔力が溜まっていると言われています。まずは魔力を感じてみましょう」

俺たちは皆、へその辺りに意識を集中し始める。
五分ほど、うんうん唸っていろいろやってみるが、全く感じない。
他の三人も同じようで、首を傾げていた。
リディもその結果を予想していたのか、「やはり難しいですね。では、一人ずつ私とやって行きましょう」と言って、立ち上がる。

「最初にダンからいきますよ。私が手をかざしますから、魔力を感じ取ってください」

そういってからダンの後ろに回り、抱え込むようにして、彼の腹に手を当てる。

「眼を瞑って、ゆっくりと息を吐いて……どうですか? 判りますか?」

ダンは何度やっても判らないようで、最後のほうには泣きそうになっていた。

「気にしないでいいですよ。ほとんどの人が判らないんですから。じゃ、次はメルね」

メルにも同じようにやっていくが、やはり彼女も感じることができないようだ。
負けず嫌いのメルは、何度もやり直すが、やはり無理だったようだ。

(魔法の才能っていうのは貴重なんだな。そういえば、この村にいる魔術師、つまり治癒師たちは三人だけだし、単純にいっても全人口の一%もいないんだからな)

メルもようやく諦めるが、その目にはうっすらと悔し涙が浮かんでいた。

(剣の才能があるから、無理に魔法を覚えなくてもいいと思うんだがな。まあ、そこがメルらしいと言えばそうなのかもしれないが。後でフォローしておいたほうがいいな)

三人目はシャロンだった。
リディが「どう感じる?」と聞くと、最初は戸惑ったような表情だったが、小さな声で「何かが動いている」と呟いていた。
リディも期待していなかったのか、その言葉に驚き、「これは? これは?」と何か別のことをし始める。
シャロンはその都度、うんうんと頷いていた。

「シャロンには魔法の才能があるわ。これは凄いことよ! 後でお父さんとお母さんにお話させてね」

リディは興奮気味にそう言うと、シャロンがコクンと頷く。そして、最後に俺の番がやってくる。

(シャロンに出来て、俺に出来ないはずはない。全属性取得の才能があるはずなんだから)

俺はそう気合を入れて、リディを待つ。
だが、彼女が俺を抱え込んだ瞬間、その気合が一気に萎えていった。

(何かいい匂いだ。微妙に背中に何かが当たる……ああ、エルフは貧乳だと思っていたけど、結構スタイルがいいんだ……)

集中できない俺に気付いたのか、リディは小声で、「真面目にやりなさい」と叱ってくる。
その言葉に「ごめんなさい」と素直に謝り、再度気合を入れなおして、彼女の手の動きを感じていく。

最初は何も感じなかった。
集中するにしたがって、徐々に暖かいものを感じるようになっていく。
その暖かいものは、ゆっくりと形を作っていく気がし、意識すると長細い棒のような形に感じていた。

「棒が、長細い棒みたいなものがある。違う、蛇のようにくねくねとしている……」

俺の体の中をウネウネと動いていく。その様《さま》は、恐怖(ホラー)映画に出てくる寄生する宇宙生物のようで、気色悪くもあった。

リディの手がゆっくりと円を描く。
さっきまでは半固形物のようなものが動いていたが、今は純然たる力の流れ、強いて言うなら水のような流れを体内に感じていた。

「今、あなたの魔力を循環させているの。正確には判らないけど、これがあなたの全魔力になるわ。判るかしら?」

「ああ、判るよ。これが魔力か……」

俺は少し興奮し、地のしゃべり方に戻っていた。
慌てて、「凄い、凄い」と演技をするが、我ながら、わざとらしかったかもしれない。

リディの手が離れるが、俺の中にある魔力を感じ続けていた。俺の魔力は、へそ辺りに溜まっており、意識すると暖かくなるような気もしていた。
彼女も満足したのか、俺から離れていく。少し名残惜しいが、口に出すわけにもいかない。

「今日はこれでおしまいです。残念だけど、ダンとメルには魔法は使えないわ。でも、二人とも結構魔力を持っていますよ。魔力があれば魔道具を使うときに便利ですから、良かったですね」

俺がフォローを入れるまでもなく、リディがフォローを入れてくれた。

「明日からはザックとシャロンだけが授業を受けますが、二人も見たいなら、いてもいいですよ。将来、魔術師と一緒に仕事をするときにも役に立ちますからね」

ダンとメルは笑顔で頷き、明日も来ると言っている。

「シャロンは後で、お父様とお母様を連れて来て頂戴。では、また明日」

ダンとメルはそのまま遊びに行こうとするが、シャロンのことがあるので、後で合流するといって二人とは別行動になった。

シャロンは自分の両親――ガイとクレア――を呼びに自分の家に戻り、その間に俺とリディは祖父の部屋に向かった。
祖父を見つけると、リディは少し早口で話し始める。

「ザックは別格だけど、シャロンっていう子も相当な才能よ。ゴーヴィ、あの子も一緒に教えるわよ」

興奮気味のリディに少し引き気味の祖父は、「まあ落ち着け」と声を掛ける。

「シャロンの両親は、このことを知らんのじゃろう? 二人の意見も聞いてから決めねばならん」

リディも祖父の言葉が理解できたのか、少し落ち着き、同時に後悔に似た表情を見せていた。
俺は魔術師の才能があることは、いいことだと思っていたから、なぜそう言う話になるのか理解できない。

「魔法の才能があるということは、すばらしいことなんじゃないんですか?」

祖父は苦笑に近い笑顔を浮かべながら、「一般的にはそうじゃな」と頷く。

「だが、それは魔術師の家系に生まれたものか、貴族の家に生まれたものに限られる」

俺は未だ話の筋が見えず、「それはなぜですか?」と首を傾げる。

「治癒師が出来る属性――木と水と光が一般的――ならば良い。どの村にも修行の場があるからな。だが、普通の魔術師の場合、大成するためには誰かに師事するか、魔術学院に入るかせねばならんのじゃ」

そして、リディを見て

「リディアがずっと教えられるなら良い。魔術師の場合、一人前になるためには、最低でも十五年は掛かる。その間この村に居続けてくれるならな。それが難しいなら、誰か師匠を探す必要があるんじゃ。中途半端な魔法の知識は身を滅ぼすからの」

その言葉に思わず彼女のことを見上げてしまう。
彼女の表情は少し曇っており、

「あなたの言う通りね。私がいつまでここにいるか判らないし、元々、あなたの頼みではザックが学院に入るまでっていう話だったから」

「学院に入るのは難しいんですか?」

「確かに入学試験は難しいと聞く。それよりも問題は金じゃ。入学金で一万C(クローナ)(=一千万円相当)、年間で最低三千Cは掛かる。お前なら首席で合格して、入学金免除を受けられるじゃろう。だが、それが難しければ……」

(なるほどな。中途半端な知識だと、まともな魔法が使えなかったり、魔力の調整が下手なままだったりして使い物にならないか。最悪、魔力切れで死ぬ可能性もあるってことだな。リディがずっと教えてくれればいいが、冒険者稼業の彼女に子供の弟子がついて行くのは難しい。そうなると、学校か。入学金と授業料。この貧乏な村の従士の家では絶対に出せない金額だ。さて、どうするかな……)

その後、ガイとクレア、シャロンの三人が祖父の部屋にやってきた。
俺はその話し合いに参加できないため、部屋から出て行ったが、後で聞いた話では、シャロンがかなり強い主張をしたそうで、ガイも渋々認めたそうだ。
何でも、きちんと修行を終えることが出来なかったら、一生魔法を使わないと約束すると泣いて頼んだそうだ。

俺は将来に禍根を残さなければいいがと思ったが、リディが予定を変更してシャロンの修行を続けてくれる可能性もあると思いなおしていた。

(将来、何があるか判らない。それなら可能性=夢を潰すようなことはしないほうがいい。やめて後悔するくらいなら、やって後悔したほうがいい。いざとなったら、俺がシャロンの分も稼げばいいさ。こうなると特産品で稼ぐことを、真面目に考えたほうがいいかもしれないな……)
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ผลลัพธ์ (อังกฤษ) 2:[สำเนา]
คัดลอก!
八月二十一日。
リディの魔法の授業が始まった。
授業が始まると、学院時代を思い出したのか、教師のような口調で教え始めた。

(結構、ノリノリのような気がするな。小さい子供限定なら、意外と教師に向いているんじゃないか?)

俺の思いとは関係なく、彼女の授業は進んでいく。

「まず、魔法について説明しますね。魔法には八つの属性があります……」

彼女の説明を要約すると、魔法には属性神と同じく八つの属性――火、光、風、木、水、闇、土、金――がある。
魔法は人が持つ”魔力”を各々の属性の”精霊”に与えることによって、術者の望む現象に変える。
そのためには、魔力を精霊に与えることと、精霊に自分の願いをうまく伝えることが重要である。
魔力の与え方は人それぞれだが、魔力を与える量を間違えると大変なことになるため、充分な制御技術が求められる。
精霊に自分の望みを伝える方法としては、呪文による伝達がある。その他にも魔法陣を使う方法もあるが、イメージ力の強い者なら呪文も魔法陣もなしに魔法を使うことが出来る。

俺の理解では、人間の体が“増幅器《アンプ》”、人間の持つ魔力が“入力信号”、精霊の力が“電源”、そして、魔法が“出力”だ。
呪文と魔法陣が“バイアス”なのだろう。最適のバイアスに調整できれば、増幅率がアップするからだ。
人間の想像力が増幅器の性能と考えれば、それほど難しい考え方じゃない。
ただ、それが正しいのかは誰にも判らないが。


三十分ほどの座学だったが、メルとダンはほとんど舟を漕いでいた。
リディと俺はその姿に微笑むが、二人を起した後、次のステップに移っていく。

まずは魔力を感じることから始めることになった。
リディは、へその辺りを触りながら、

「この辺に魔力が溜まっていると言われています。まずは魔力を感じてみましょう」

俺たちは皆、へその辺りに意識を集中し始める。
五分ほど、うんうん唸っていろいろやってみるが、全く感じない。
他の三人も同じようで、首を傾げていた。
リディもその結果を予想していたのか、「やはり難しいですね。では、一人ずつ私とやって行きましょう」と言って、立ち上がる。

「最初にダンからいきますよ。私が手をかざしますから、魔力を感じ取ってください」

そういってからダンの後ろに回り、抱え込むようにして、彼の腹に手を当てる。

「眼を瞑って、ゆっくりと息を吐いて……どうですか? 判りますか?」

ダンは何度やっても判らないようで、最後のほうには泣きそうになっていた。

「気にしないでいいですよ。ほとんどの人が判らないんですから。じゃ、次はメルね」

メルにも同じようにやっていくが、やはり彼女も感じることができないようだ。
負けず嫌いのメルは、何度もやり直すが、やはり無理だったようだ。

(魔法の才能っていうのは貴重なんだな。そういえば、この村にいる魔術師、つまり治癒師たちは三人だけだし、単純にいっても全人口の一%もいないんだからな)

メルもようやく諦めるが、その目にはうっすらと悔し涙が浮かんでいた。

(剣の才能があるから、無理に魔法を覚えなくてもいいと思うんだがな。まあ、そこがメルらしいと言えばそうなのかもしれないが。後でフォローしておいたほうがいいな)

三人目はシャロンだった。
リディが「どう感じる?」と聞くと、最初は戸惑ったような表情だったが、小さな声で「何かが動いている」と呟いていた。
リディも期待していなかったのか、その言葉に驚き、「これは? これは?」と何か別のことをし始める。
シャロンはその都度、うんうんと頷いていた。

「シャロンには魔法の才能があるわ。これは凄いことよ! 後でお父さんとお母さんにお話させてね」

リディは興奮気味にそう言うと、シャロンがコクンと頷く。そして、最後に俺の番がやってくる。

(シャロンに出来て、俺に出来ないはずはない。全属性取得の才能があるはずなんだから)

俺はそう気合を入れて、リディを待つ。
だが、彼女が俺を抱え込んだ瞬間、その気合が一気に萎えていった。

(何かいい匂いだ。微妙に背中に何かが当たる……ああ、エルフは貧乳だと思っていたけど、結構スタイルがいいんだ……)

集中できない俺に気付いたのか、リディは小声で、「真面目にやりなさい」と叱ってくる。
その言葉に「ごめんなさい」と素直に謝り、再度気合を入れなおして、彼女の手の動きを感じていく。

最初は何も感じなかった。
集中するにしたがって、徐々に暖かいものを感じるようになっていく。
その暖かいものは、ゆっくりと形を作っていく気がし、意識すると長細い棒のような形に感じていた。

「棒が、長細い棒みたいなものがある。違う、蛇のようにくねくねとしている……」

俺の体の中をウネウネと動いていく。その様《さま》は、恐怖(ホラー)映画に出てくる寄生する宇宙生物のようで、気色悪くもあった。

リディの手がゆっくりと円を描く。
さっきまでは半固形物のようなものが動いていたが、今は純然たる力の流れ、強いて言うなら水のような流れを体内に感じていた。

「今、あなたの魔力を循環させているの。正確には判らないけど、これがあなたの全魔力になるわ。判るかしら?」

「ああ、判るよ。これが魔力か……」

俺は少し興奮し、地のしゃべり方に戻っていた。
慌てて、「凄い、凄い」と演技をするが、我ながら、わざとらしかったかもしれない。

リディの手が離れるが、俺の中にある魔力を感じ続けていた。俺の魔力は、へそ辺りに溜まっており、意識すると暖かくなるような気もしていた。
彼女も満足したのか、俺から離れていく。少し名残惜しいが、口に出すわけにもいかない。

「今日はこれでおしまいです。残念だけど、ダンとメルには魔法は使えないわ。でも、二人とも結構魔力を持っていますよ。魔力があれば魔道具を使うときに便利ですから、良かったですね」

俺がフォローを入れるまでもなく、リディがフォローを入れてくれた。

「明日からはザックとシャロンだけが授業を受けますが、二人も見たいなら、いてもいいですよ。将来、魔術師と一緒に仕事をするときにも役に立ちますからね」

ダンとメルは笑顔で頷き、明日も来ると言っている。

「シャロンは後で、お父様とお母様を連れて来て頂戴。では、また明日」

ダンとメルはそのまま遊びに行こうとするが、シャロンのことがあるので、後で合流するといって二人とは別行動になった。

シャロンは自分の両親――ガイとクレア――を呼びに自分の家に戻り、その間に俺とリディは祖父の部屋に向かった。
祖父を見つけると、リディは少し早口で話し始める。

「ザックは別格だけど、シャロンっていう子も相当な才能よ。ゴーヴィ、あの子も一緒に教えるわよ」

興奮気味のリディに少し引き気味の祖父は、「まあ落ち着け」と声を掛ける。

「シャロンの両親は、このことを知らんのじゃろう? 二人の意見も聞いてから決めねばならん」

リディも祖父の言葉が理解できたのか、少し落ち着き、同時に後悔に似た表情を見せていた。
俺は魔術師の才能があることは、いいことだと思っていたから、なぜそう言う話になるのか理解できない。

「魔法の才能があるということは、すばらしいことなんじゃないんですか?」

祖父は苦笑に近い笑顔を浮かべながら、「一般的にはそうじゃな」と頷く。

「だが、それは魔術師の家系に生まれたものか、貴族の家に生まれたものに限られる」

俺は未だ話の筋が見えず、「それはなぜですか?」と首を傾げる。

「治癒師が出来る属性――木と水と光が一般的――ならば良い。どの村にも修行の場があるからな。だが、普通の魔術師の場合、大成するためには誰かに師事するか、魔術学院に入るかせねばならんのじゃ」

そして、リディを見て

「リディアがずっと教えられるなら良い。魔術師の場合、一人前になるためには、最低でも十五年は掛かる。その間この村に居続けてくれるならな。それが難しいなら、誰か師匠を探す必要があるんじゃ。中途半端な魔法の知識は身を滅ぼすからの」

その言葉に思わず彼女のことを見上げてしまう。
彼女の表情は少し曇っており、

「あなたの言う通りね。私がいつまでここにいるか判らないし、元々、あなたの頼みではザックが学院に入るまでっていう話だったから」

「学院に入るのは難しいんですか?」

「確かに入学試験は難しいと聞く。それよりも問題は金じゃ。入学金で一万C(クローナ)(=一千万円相当)、年間で最低三千Cは掛かる。お前なら首席で合格して、入学金免除を受けられるじゃろう。だが、それが難しければ……」

(なるほどな。中途半端な知識だと、まともな魔法が使えなかったり、魔力の調整が下手なままだったりして使い物にならないか。最悪、魔力切れで死ぬ可能性もあるってことだな。リディがずっと教えてくれればいいが、冒険者稼業の彼女に子供の弟子がついて行くのは難しい。そうなると、学校か。入学金と授業料。この貧乏な村の従士の家では絶対に出せない金額だ。さて、どうするかな……)

その後、ガイとクレア、シャロンの三人が祖父の部屋にやってきた。
俺はその話し合いに参加できないため、部屋から出て行ったが、後で聞いた話では、シャロンがかなり強い主張をしたそうで、ガイも渋々認めたそうだ。
何でも、きちんと修行を終えることが出来なかったら、一生魔法を使わないと約束すると泣いて頼んだそうだ。

俺は将来に禍根を残さなければいいがと思ったが、リディが予定を変更してシャロンの修行を続けてくれる可能性もあると思いなおしていた。

(将来、何があるか判らない。それなら可能性=夢を潰すようなことはしないほうがいい。やめて後悔するくらいなら、やって後悔したほうがいい。いざとなったら、俺がシャロンの分も稼げばいいさ。こうなると特産品で稼ぐことを、真面目に考えたほうがいいかもしれないな……)
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Shinsengumi. At the start of day magic class. The class starts at the school age, remember the teacher began to teach in tone. YouTube - free, feel like dancing. The little kids, surprise and you have to be a teacher? Regardless of class, I think of her. First,

「 described as magic. There are eight... Attribute magic. " To summarize the description of her,Magic attribute and attribute of the eight gods: fire, light, air, water, soil, trees, the money. At the magic "magic" people with each of the attributes of the "spirit" to give the operator wants to change the phenomenon. In order that the Holy Spirit to give a magical power, it is important for you to give us the spirit. At each person to have magical powers, and wrong to spell disaster, control is required for sufficiently. AtAs a method to communicate their hopes on the spirit, it is transmitted by the spell. In addition, there is a method to use magic spells, but without the strong power of the image, it is possible to use magic magic. In my understanding of the human body "of the amplifier (amplifier input signal" ", the" magic of the human spirit "of the power supply, and the" magic "output". A magic spell, "bias". If the adjustment of the optimum bias, it is up to the amplification factor. AtConsidering the performance of the amplifier and the imagination of human beings, it is not so difficult. However, it is not at the point to the right. The stress was thirty minutes of the lecture, but little Mel and Dan in rowing the boat. At that day, and I smile, after that, to move to the next step. It starts from the first to feel the magic. At day is said while touching the navel area accumulated in this area 、

「 magic.Let's 」

we all feel the magic in the first area to its concentration. At five minutes, it is a variety of subjects, but did not feel at all. The other three people in the same way, tilted her head. At that day, I expect the result, it is difficult. Now, let's go along with me, "said the rise one by one. You go first

「 from Dan. I'll take her hand, 」

feel the magicDan went around back, as a result, hands on his stomach. Close my eyes, and slowly and

「... Out... What? Do you understand? " Dan: Well, as I do not know what he is going to cry, in the end it. You should not

「. I don't know from most people. Next, in the same way you 」

Mel's, but it can still feel her. The loser, Mel.Again and again, as it was impossible. It is the precious gift of magic YouTube feature. By the way, in this village, the magician is a healer who only three people simply give up finally, as one of the total population is not a ri Mel, brimming with tears in eyes. YouTube - Sword of talent, and to learn to think like magic. Well, there's that it might.I want to follow in the later three RI was Sharon. How do you feel "at day?" Listen, the first was puzzled expression, in a low voice murmured something moving. " Did not expect the day wonder at his words, "this is? This is? " And something else. Sharon, every time they gave a nod. I have a magic talent

「 Sharon. This is amazing!And later dad excitedly 」

day of you to talk to your mother, Sharon nodded deeply. Finally, I will come. YouTube - made Sharon, not me. You should have all the attributes of talent acquisition RI I will shout, wait for the day. But when she looked at me a moment, that his fighting spirit. YouTube - or something smells good. To the subtle... Something back... Oh,Elf world, he thought, quite good style,...) I can't concentrate too aware, in a whisper, "for the day when you do. I apologize for that word "honest", adjust the game again, will feel the movements of her hands. At first I did not feel anything. According to the focus gradually to feel warm. The warm, slowly to make the form, theLike a long and thin bar with feeling. The

「 rod length, like a thin rod. Wiggle like a snake, as... " Moving in and getting in my body. That's something like the horror of horrors of parasitic organisms such as space in the film, 気色悪く. Draw a circle slowly the day too. At last, such as to be a solid, but now the flow of energy, simpleIf you say you like the water felt in the body. Now,

「 are circulated to your magic. But I don't know exactly when it comes to all your magic. Understand? " Oh,

「. This is the magic?... " I am a little bit too excited, to the back. At the great haste, "," great performance, わざとらしかっ, I might have. Leave that day too, and I continue to feel that magic. My magicSo around the navel, and I like to be warm. At her with satisfaction, away from me. A little regret, we can't say it.

「 today that is it. Unfortunately, I can not and magic. But they are free to have magical powers. When and if the tool is convenient to use magic, 」

me it is good to follow, not to follow me to that day. Too"You only have a class with Sharon from tomorrow, if they want to see it, if you can. In the future, smiling and nodding 」

Dan and I are useful when you are working with a magician, saying that tomorrow will come. Later

「 Sharon, please bring your father and mother. Well, tomorrow 」

Dan and I will go to play with it, but because of Sharon, and another person to act and later. TooBack to his house to call his parents -- Clare guy -- Sharon, during which time of day and I went to my room. To find my grandfather at the start of the day and speak in a little bit.

「 Zack special, but I had quite a talent like Sharon. Go, my grandfather to tell you that 」

excited with a little taste of pull in, to "calm down".

「 Sharon's parents, you know, you know that?If they decide to hear the opinion of this 」

Di's words can understand a little, serenity, akin to regret at the same time. I will be at the magician's talent, it is good to talk, why to say so you don't understand. That is

「 magic talent, good is not it? " My grandfather is too close to smile smile, "in general, I don't know," she nodded. However,

「Whether it's a magician, I was born into a family 」

was born into an aristocratic family is one of the story, yet it is "why?" And to put one's head on one side. Water attribute tree, and

「 healer light -- if the common good. The field practice in every village. However, in the case of an ordinary magician, who studied in order to enter the school of magic, you must 」

earned it and see if it's taught

「 Lydia is much better. In the case of the magicianIn order to take at least fifteen years. If you stay in this village. If it is difficult for anyone to look for a teacher. A knowledge of magic from the cat in the 」

words I looked up at her. Look at her, and a little cloudy

「 as you say. I don't know, I always here to talk 」

originally, melt into the sack into the school was in your favor"It is difficult to enter the school?" Listen to the entrance examination

「 certainly difficult. It is a matter of money than you. At the entrance of the krona)(= 10000 C corresponds to one million yen), and the lowest in the three thousand years C. If you are at the top of the class has passed, he will receive the exemption of the entrance fee. However, it is difficult to... " YouTube - a. A halfway decent knowledge, use magic, magic, or the adjustment of the poor remain in use or not. The worstIt is possible to die in magic. Tell me the day I wish all the hard work of adventure in her child's disciples on the go. If the school. Entrance fee and tuition fees. It is not absolutely impoverished sum up the soldier's village. Well, I'll tell you what...) Then, too, and Clare came Sharon's grandfather who was in the room. At I can't participate in the discussion, went out of the room, I heard the story laterSharon seems pretty strong claims, and that with a guy. At the end, but what if it had not been properly trained, to cry and promised not to use magic. Well, I thought that in the future must be the root of the left and the 思いなおし and there is a possibility that the day will continue to practice of Sharon. YouTube - in the future, I don't know what is. A property can then be a dream; you'd better.If I have to regret, I regret it. If necessary, I can make it by Sharon. To make a special product, might as well not really think...) At
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