翌朝、まだ身体は痛いが動けないことはない。
ステラおばあちゃんはしばらく外に行かないでと言うが、そういうわけにもいかなかったので、村には近付かないと約束することで外に出る許可を貰った。
誰にも見付からないようにギルドまで行くと、中にハーゲが居た。いつも通り下品な笑い声で取り巻きと話している。あの様子だと、まだスキルがなくなったことに気付いていないようだ。
ハーゲはいつも通りゴブリン討伐クエストを受け、山の方へ向かって行く。俺も気付かれないように後ろから付いて行く。
山の奥深く入って行くと、早速ゴブリン数匹とハーゲが出会し、皆殺しにする。
俺はこの辺一体の山に関しては、薬草採集のおかげでどこに何があり何が居る・・・・かも把握している。
ハーゲがどのルートで進んで行くかは、ある程度わかるので罠を仕掛ける。先回りし、そこら辺に居るゴブリン共に石を投げつけた。隠れながらどんどん石を投げ付ける。その数、30匹以上! さすがにこれだけの数になると、隠れながらでも限界なのでハーゲが来るであろう方向に向かって走って行く。
ちょうどハーゲも先程とは別のゴブリン達と戦っていたので、俺は近くの茂みに身を潜めた。
「な……なんだってんだ!!」
いきなり現れた30匹以上のゴブリンの集団に、ハーゲも驚きを隠せなかったようだが、遅かったようだ。すでにゴブリンに囲まれている。
「舐めんじゃねぇ!」