「うぅむ……。しかし、このギルドでは、世界中の情報がどこのギルドよりも早く手に入れる事が出来るぞ?」
「……何で?」
「このギルドは、ただのギルドじゃない。【ギルド本部】だからだ」
「!」
俺はガッスルの言葉に目を見開くほど驚いた。
なんてこった……。
「変態達の集まりが、ギルドの総本山だなんて……最早手遅れだったのか……」
「君、非常に失礼な事を言ってるのに気付いているかい?」
「黙れ、変態」
「これは手厳しいな!」
口にする言葉とは違い、何故かガッスルは笑顔でマッスルポーズを決めだした。やっぱり変態だ。
「でも、ここがギルド本部だとするなら……」
俺が知りたかった、勇者の情報も入って来るだろう。それは、俺にとってはかなり有益な事だ。
ギルドと言うだけあって、情報の数も半端じゃないだろう。個人で情報収集するよりも、絶対的に効率もいい筈だ。
登録するのがいいとは頭では分かっているんだが……。
「同じ変態扱いされるのが……」
あ、ステータス的に見れば、ある意味変態だよね。もう人間じゃねぇもん。
「何事も思い切りが大事だぞ!どうする?」
そう訊かれてもなぁ……。
深く考え込みそうになった時だった。今まで黙って聞いてたサリアが、俺のローブを引っ張る。