ワタシの勤勉さが! 怠惰であるものたちを下したことを、愛の所業と言わずしてなんと呼ぶべきデスか! あァ! 我が信愛を、信仰を、揺るぎない愛を! 受け入れ! 受け止め! 包んでいただきたいのデス――!!」
愛を叫び、涙を流し、血の海で吠える女――肉体を奪い、精神を侵す怪物ペテルギウス・ロマネコンティだ。
狂人は村を救出にやってきたスバルたちを一網打尽にし、信徒すら失った状態でなおも愛を高らかに叫んでいた。
そして――、
「――何が、あったの」
村へ続く一本道の向こうから、息を切らした少女が駆け下りてきて言った。
額に張りつく銀の髪を煩わしげに除けて、惨状を見回す紫紺の瞳。――エミリアは血の海に沈む村人に目を見開き、そして気付いた。