——商品の「午前4時のスカート」はその時間帯の空の色なんですか?
そうですね。朝まで作業をしていて「明るくなってきちゃった」って思って外に出てみたら、4時って特に空の色が綺麗なんですよ。こういうのを再現したいなって思いましたね。その時に色のグラデーションを追求していたので、メモしたのを見て、完成してから名前をつけました。
——ブランドにするつもりがなかったとおっしゃりましたが、何がきっかけでここまで大きくなったんですか?
自分では大きくなっているという感覚が無くて、話が来れば「じゃあやります」みたいな感じで色々受けていたら、いつの間にかこうなってました。ブランドを始めるのも、昔、お手伝いしていたところで知り合った方が女の子のプロデュースをしていて、ラフォーレのファッションウィークっていうイベントでブースを出すからって誘っていただいたのがきっかけなんです。そしたら、今取り扱ってくれているお店のバイヤーさんが見に来てくださったりして、ブランドが始まったり。そこから、また違うお店の人が来てくれて……みたいな感じで広がりましたね。あと、一年生の時にすごく好きなブランドでインターンやってたんです。そこで出会った人が優しくしてくださったり、色んなイベントに呼んでくださったりして、今お仕事もらえているっていうのもあります。そういう、人のつながりで広まったので、売り込みとかやったことないんです。ご縁みたいなところが強いですね。
——ブランドと学業の両立は難しいと思うのですが、ノウハウやコツはありますか?
私、「課題は課題」みたいな考えは特にないんですよ。自分の作品なわけだし、テーマは与えられているけど自分がつくる作品なんだからって思うんです。課題が商品に直結はしませんけど、課題で得た技法とかを商品に生かせることってすごくあるし。全てを糧にする感じですね。
ーー学生生活でのおもしろいエピソードはありますか?
私、気になったことはすぐ突っ込んで行くタイプなんです。おもしろかったのは、2・3年生のときにモデルをやっていたんですけど、jennyfaxというブランドの東京コレクションのショーで、すごく薄着で出たことですね(最前ゼロゼロというイベントも兼ねていました)。本当は裸にボディーペイントで出てほしかったみたいなんですけど、それはさすがに無理だから結局ブラトップに(笑)。今思うと、「よくやったなぁ」ってなりますよね。でも、そこで新しく出会った人もいたし、良かったと思っています。多摩美は都心から遠くて、それが嫌で都心に沢山出てました。なるべく、そういう外のことと関わろう関わろうとしていましたね。
藤澤ゆき Fujisawa Yuki
多摩美術大学 生産デザイン学科 テキスタイルデザイン専攻在学中。
目に見えないもの、実体のないものたちを いつも いつも 追いかけています。
「YUKI FUJISAWA」の表現活動と同時に「ハートの、」というブランドの活動をしています。