これまで日本市場を支えてきた1億2,000万人という消費者の将来的な減少、加えて2011年3月の大震災後の消費者動向の急激な変化を考えると、コンテンツの海外進出は他のビジネス同様必須である。しかし、その重要性がマスコミ等で盛んに叫ばれているにも関わらず、それをどのように実践していくかがわからず、手をこまねいているのが日本のコンテンツビジネスの現状であろう。このような状況下で、比較的成功をおさめているのが、ゲームというコンテンツをフックにしたコミュニティサービスというユニークなビジネスモデルを展開しているオンラインゲームやスマートフォン等PC的環境でプレイアブルなコンテンツである。特に携帯電話を含めた通信インフラの整備が進んでいるアジアにおいて先進的な事例が数多く見られることは、日本の一般レベルではあまり認識されていない。さらに、こうしたコンテンツのビジネスモデルが、最近北米やヨーロッパにおいてSNSと連動してソーシャルゲームとしてブームになっている。そこで本科目では、オンラインゲームやモバイルコンテンツの海外動向を把握し、国産コンテンツをいかに海外に輸出するかをテーマに講義を行う。そして、今後、輸出先として有望視されているアジア市場を中心に国別、コンテンツ別にコンテンツの海外展開を立案することを目標とする。