未利用の地熱資源は広く存在しています。工夫次第では、どこでも地熱を利用することができます。
どこにでもある普通の温度の大地は、ヒートソース(温熱源)、ヒートシンク(冷熱源)および蓄熱体としての機能を有しており、建物の冷暖房や温水プール、融雪など、多様な用途に利用することができます。
また、非地熱地帯の深部の地殻を、ヒートソースとして建物の暖房や温水プール等に利用すること(地熱の直接利用)ができます。
さらに、地熱地帯の高温湿潤岩体 (Hot Wet Rock, HWR) やマグマ近傍の超高温岩体、さらにはマグマなどの未利用地熱資源を、ヒートソースとして発電に利用できれば、発電量を大幅に増大させることができます。
これらの未利用地熱資源を開発する方法としては、地中熱交換器を用いる方法が最も現実的な方法と考えられます。
当研究グループでは、高性能の地中熱交換器である坑井内同軸熱交換器 (Downhole Coaxial Heat Exchanger, DCHE) を開発しており、このDCHEによって、これらの地殻の熱的機能を利用するための研究を行っています。