神結晶と他の鉱物との融合で創られており、ハジメとユエの魔力を大量に取り込んで紅水晶に金の意匠があしらわれた何とも美しい芸術品めいたアンティークキーとして仕上がっていく。
そして、完全に形が創られた直後、今まで微動だにしなかったハジメとユエが、手を繋いだままスッと眼を開けた。薄く開いた瞳には、何も映していないようでもあり、二人にしか見えない何かを見つめているようでもあった。
異様にして、どこか神秘性も感じる雰囲気に、誰かのゴクリと生唾を呑み込む音が響いた。次の瞬間、今度は、二人の唇が震える。そうして小さく開かれた口から紡がれた言葉は……
「「――“望んだ場所への扉を開く”」」
刹那、恒星の如き眩い光の奔流が二人を中心に噴き上がった。一度は落ち着いていた銀河の流れは、まるで超新星爆発でも起したかのように部屋を純白の光一色に染め上げ、その場の全ての者の意識をも白く塗り潰した。
いつも読んで下さり有難うございます。
感想・意見・誤字脱字報告も有難うございます。